施設でダンスプログラムを実験した

Kプランニング

バラエティ番組の「モニタリング」ではないけれど、「もしも、プロのスポーツインスタラクターが知的障がい者施設でJ-POPダンスのプログラムをやったら、どうなる?」という実験を、某施設にて実施しました。この奇抜な取り組みは、前回のブログ記事「福祉とスポーツジム」の続編に当たるもの。私の勝手な妄想が、実現可能なのかどうかをどうしても試してみたかったのです。幸い、知り合いのスポーツインスタラクターの協力を得ることができ、さっそくトライしてみました。

実施したプログラムは、通常のスポーツジムで開催されているのと同様のJ-POPダンス。45分のプログラムです。ダンス初体験となる知的障がい者であることを考慮して、振り付けは超単純なモノを考案してくれました。しかも6曲すべて同じ振り付けなので、最初は戸惑った利用者たちも、だんだん慣れて思い切り動けるようになりました。

感想としては、初めてにしては想像以上に踊れたということです。しかもみんな、楽しそうに身体を動かしているのがとても印象的でした。何しろこんなに長時間、運動をすることがない人がほとんどだったので、プログラム終了後は「筋肉痛になったよー」と叫ぶ方が続出(笑)。でもいい汗をかいたと、大喜びでした。

この実験成果が広まれば、障がい者施設の日中活動として大いに注目されることでしょう。ホントにみんな、目を輝かせて踊っているのです。指導してくれたインストラクターは、施設でダンスを教えるなどもちろん初めての体験。最初はどこまで踊れるのかとても不安だったけど、いつの間にかそんな気持ちは吹き飛んで、いつも以上に楽しい時間を過ごせたと語ってくれました。彼らの純粋な笑顔に、むしろ癒やされたというのです。

インスタラクターのこの感想こそ、私が前回の記事で提案した「障がい者の施設がスポーツジムを運営できないか?」という問いへの答えになります。こんな楽しそうなダンスは、施設内の日中活動として終わらせてしまうにはあまりにもったいない。ここには普通のスポーツジムのスタジオにはない特別のパワーが潜んでいます。「障がいのある人たちと一緒に、ダンスをしよう」と訴えれば、地域の人たちが続々参加してくる姿は容易に想像できます。

これが、私が訴え続けている「障がいのある人たちが苦手な作業をするのではなく、天性としてもっている能力を使うだけでよしとされる世界」、「存在そのものが価値となる世界」です。彼らの特性を最大限に活かした事業を生み出していく発想力が、福祉の世界では求められているのではないでしょうか。今回の実験をステップとして、今後は各地で同様の実験を繰り返し実施しつつ、地域の人たちが参加可能なスタジオプログラムを「事業」として取り組んでくれる施設を探していきたいと考えています。興味ある方は、ぜひKプランニングまでお問合せください

ダンスプログラムの写真