出版記念パーティーで思ったこと

Kプランニング

『蘭学家老・鷹見泉石の来翰を読む(政治篇)』の完成を祝い、7月8日(土)に古河のイタリアンレストラン唐草にて出版記念パーティーを開催しました。これまでにも『蘭学家老・鷹見泉石の来翰を読む(蘭学篇)』『泉石と雪の殿様─鷹見泉石ガイドブック』等々の書籍が完成する度に銀座の資生堂パーラーでパーティーを行ってきたけれど、今回のは思い入れがまったく違います。

普通に考えたら、開催地が銀座→古河と移ったことは都落ち、格下げみたいに感じられるのでしょうが、とんでもない。鷹見泉石は歴史の町・古河を代表する偉人です。そして今回の書籍の著者(古文書書簡の解読と解説)は地元の郷土史研究者。いわば本家本元で、どれだけ地元関係者を集められるかが問われていたわけです。

もともと鷹見本雄さん(現当主)が自費にて泉石関連書籍を次々に出版してきたのは、古河における鷹見泉石普及活動の灯を復活させたいと願っていたからでした。古河市が合併して以降、行政の関心は歴史よりも経済優先となり、古河歴史博物館や鷹見泉石記念館の存在感はどんどん薄れていくばかり。ご自身の代で先祖から受け継いだ1,000点以上の鷹見泉石関連資料(ほとんどが国指定重要文化財。渡辺崋山画の鷹見泉石肖像は、国宝指定)を古河歴史博物館に寄贈した鷹見当主のいら立ちが想像できるでしょう。

だからこそ、今回の古河での出版記念パーティーには私も最大限のパワーをつぎ込みました。自費出版のお客様への「イベント開催サービス」なんてレベルではありません。僭越ながら鷹見当主と肩を並べて主催者として名乗りを上げ、まるで壮大なイベントのような封筒まで印刷して幹事役も引き受けたのでした。後援としてVAL古河駅ビル、古河市非公認キャラクターこがにゃんこ、社会福祉法人パステル、古河郷土史研究会のお名前をお借りしたのも私のアイデア。決して鷹見家個人の集まりでなく、泉石普及を願う古河在住の人たちの思いが集まるイベントにしたかったのです。

結果的には、古河市長、副市長、教育長、市議会議長、県議会議員までもが参加することになりました。しかも来賓という位置づけは一切なく、みなさん自費での参加です。他にも、『六花落々』の作者西條奈加さんや『泉石と雪の殿様』のマンガ家・市原敬子さん、歴史小説家の植松三十里さん、歌人の奈良達男さん、児童文学作家の一色悦子さん…など、そうそうたるメンバーです。とくに嬉しかったのは、古河市内の古い事業者たちが20名以上集まってくれたことでしょう。古河住民の地元愛を感じることができました。

イベントの最後には、サプライズ企画としてこがにゃんこ(たかみにゃんせき)の着ぐるみが本邦初登場。鷹見家当主とのツーショットには大いに盛り上がりました。鷹見さん、にゃんせきとずっと手をつないで笑ってくれました。「本雄、よくやったな。拙者が残した資料をしっかりまとめてくれて嬉しいぞ」という泉石からの声が、聞こえたのかもしれませんね(笑)。

思い起こせば4年前。古河で鷹見本雄氏の講演会を企画した会場で、「せんせきくん」というご当地キャラと、古河の名物・泉石あんパンを作るというアイデアを私は発表しています。少し形は変わりましたが、それから出会ったこがにゃんこの普及活動と、市内障がい者施設社会福祉法人パステルとのタイアップによるこがにゃんこクッキー&パンの製品企画。すべて構想通りに実現しました。そして今回の出版記念パーティーのお土産には、パンとクッキーをお客様にお渡ししたのです。

鷹見当主もよく頑張ったけど、戸原も少しは頑張ったと泉石に褒めてもらえるかなあ?(笑)。パーテーに参加していただいた65名の皆様。本当に有り難うございました。これからも、こがにゃんこ並びにクッキー&パンの販促活動にお力を貸していただけると私としてもとても嬉しいです。

にゃんせきと鷹見当主とみろくさん(鷹見家現当主とたかみにゃん石と作者のみろくさん)

パーティの封筒(オリジナルで制作した出版記念パーティーの封筒)